||   Courage / 勇気   ||


勇気を必要とするときと、しないときとの違いというのは、興味深いものだ。  何千人もの観客の前でステージに立つとき、ぼくはまったく気後れを感じることがない。 むしろ、ひとりの相手に自分の本音をぶつけようとするときのほうが、はるかに勇気を必要とする。  勇気について考えるとき、ぼくの頭に真っ先に浮かぶのは、 「オズの魔法使い」 に出てくる臆病なライオンだ。 彼はいつも危険から逃げている。 大声で泣きわめいたり、恐怖に震えあがったりもする。  だが同時に、彼は愛する人たちとともに、自分の本音をわかちあっている。 たとえそれが、自分にとっては心地よくない感情であっても、だ。


自分の心に正直になる。 これこそほんとうの勇気だ。 本音をぶつけるのと、他人の目の前で喧嘩をするのとはまったく違う。  本音をぶつけるというのは、何であれ自分の心に忠実に、正直になるということだ。 自分の心に正直になる勇気が持てれば、自分という人間を正しく理解することができるし、  ほんとうの姿を他人に見せることもできる。 これはかなり怖いことだ。 自分の弱みを他人にさらし、ひどく無防備になっているように感じるからだ。  けれど、自分自身を認めることができなければ、どんな勇気も無意味だし、 映画に登場する心優しいヒーローも、ただの薄っぺらな存在にしかならない。  なまやさしいことではないけれど、自分に正直になり、心を素直に開く勇気を持つことは、 自分自身を発見する道につながるのだ。 それは、ぼくたちみんなが望んでいる世界、  確かな愛の世界へといざなってくれるだろう。