||   MOTHER earth / 母なる地球   ||



ある冬の日、ぼくは浜辺を歩いていた。  ふと足元を見ると、波に運ばれた一枚の羽が落ちている。 油にまみれたカモメの羽だった。  拾いあげると、指にぬるぬるした黒いものがべっとりとついた。  ぼくはこう問いかけずにはいられなかった。  このカモメは今も無事に生きているだろうか? 無事に飛び立つことができただろうか? いいや、きっと駄目だったろう。
   ぼくたちは自分の星を、なんて粗末に扱っているのだろう。 そう思うと、ぼくはひどく悲しくなった。  ぼくたちが住んでいるこの地球は、宇宙からぽんと投げ出された石ころではなく、 生きて、動植物を育んでいる生物なのだ。 地球はぼくたちを育んでくれている。  そしてぼくたちはそのお返しに、地球を育んであげなくてはならないのだ。  ぼくたちは地球を、まるで賃貸アパートのように扱っている。  住みづらくなったら、よそへ引っ越せばいいさ、というふうに。

だが、引っ越す場所などありはしない。  ぼくたちは世界中、至るところにゴミや戦争、人種差別を撒き散らしてきた。  ぼくたちは自分の手で、この地球を掃除しなければならない。  そして地球を掃除するためには、まずぼくたち自身の心を、掃除しなければならない。  なぜなら、愛しいこの地球を汚したのは、ぼくたちの心にほかならないからだ。  一刻も早く心を入れ替えれば、ぼくたちはやがて母なる地球への愛、彼女がぼくたちに注いでくれる愛に気づくことができるだろう。