||   god / 神   ||



世界中のありとあらゆる宗教で、人々は、自分たちの教えこそ唯一の正しい道だ、と 、かたくなに信じているけれど、神は不思議なことに、どんな宗教でも平等に語りかけている。  神についてあなたが何かを言えば、必ずそれに反論を唱える人がでてくるだろう。  たとえあなたが、神に対する人々の愛はどんな宗教においても共通のものだ、と主張したとしても、だ。
   神がどんな姿形をしているかということは、ぼくにとってはどうでもいいことだ。  大切なのは、その存在だ。ぼくの歌と踊りは、神をそのなかに呼びこみ、満たすための器なのだ。  ぼくは器をつくり、神はそのなかに優しさを吹きこむ。


夜空を見上げると、星たちが親しげにまたたいているのが見える。  まるで、おばあちゃんが、ぼくのためにあつらえてくれたような星空だ。  「なんて豊で、なんて贅沢な光景だろう」 と思ったとき、ぼくはそこに神を見る。  美しい虹のなかに、草原を跳ねまわる優雅なシカの姿に、父親のキスにこめられた真実のなかに、ぼくは容易に神の姿を見ることができる。  だが、最も幸福な神との出会いの瞬間、ぼくにはその姿は見えない。 目を閉じ、心の中をのぞいて、深い、柔らかな静寂の世界にひたる。  神のつくりもうた無限の世界がぼくを包む。 そして、ぼくらはひとつになる。