||   angel OF LIGHT / 光の天使   ||


何時間も天使の絵をじっと見つめていたことはあるけれど、ほんとうの天使はなかなか見えない。世の中には絵がなくても天使が見える人がいて、面白い話をしてくれる。たとえば、守護天使はみんな女性だそうで、その話を聞いたとき、ぼくはなるほどと思った。幼い天使のなかから選ばれた誕生の天使は、赤ん坊が生まれるときに必ず付き添い、それより年上で優しい天使たちは死んでゆく人が、この世に悲しみや苦しみを残さないよう力を貸してくれるという。

天使に祈れば、その祈りは必ず届く。だが天使に呼びかける一番の方法は、笑うことだそうだ。天使は喜びでできているので、喜びにはいちはやく反応する。たしかに、人の心が怒りや憎しみで曇っているときには、天使は絶対に近づいてこない。
   なかには翼を持たない天使もいる、と空想家たちは主張するが、翼を持った天使たちは金色の羽をひるがえし、世界中を飛びまわる。もしも肉眼で太陽を見ることができたなら、そこにはきっと、一番偉い天使が見えるはずだ。そして月からは、もっと穏やかな顔つきの天使が笑いかけている。

永遠の命を持つ天使たちはいつも、創造主の王座のまわりを飛びかいながら、神を称える歌を歌っている。耳のよい人は、その歌声を聞いたことがあるという。彼らの話によると、天使の歌声は驚くほど複雑なハーモニーを持ち、そのわりにリズムは単調だったそうだ。「ほとんど行進曲みたいな調子だったよ」と天使の歌声を聞いた、ある人物は断言した。これは、今まで聞いた話のなかで一番面白いものだった。
   天使の話を聞いて孤独に陥ると、しばらくは自分が見えなくなってしまう。天使を見たある女性は、この話にひどく驚いた。「見えないですって?でも天使はあたなの心のなかにいるのよ。誰の心にも、天使は住んでいるわ。今だって、わたしには見えるわ。だからあなたにも見えるはずよ」と彼女は言った。「いいや」とぼくは悲しげに答え、天使はどんな姿をしているの、とたずねた。「ぼくと同じような姿をしているの?」

「そうとも言えるし、そうじゃないとも言えるわ」と、彼女は含みのある答えかたをした。「それはあなたが、どう思っているかによるわ。あなたの天使は、あなたの心の真ん中で、光の点になって座っているわ。それは原子よりも小さいけれど、でもちょっと待って。あなたが天使に近づくと、天使はだんだん大きくなるわ。近づけば近づくほどどんどん大きくなって、やがてまばゆい光のなかで、あなたの天使はほんとうの姿をあらわすの。そしてその瞬間、あなたは自分の姿も見えるようになるはずだわ」

だから今、ぼくはいつも自分の天使を探している。静かに座り、心の中心をじっと見つめる。するとまもなく、何かが見えてきた。「あなたが天使なの?ろうそくを持っているあなたが?」光がまたたき、すぐに消えた。それだけで、ぼくの胸は激しく高鳴った。この次は、ぼくの天使はランプの光を振って見せるだろう。その次には松明をかざし、そして次には大きなかがり火をともして。
   天使を見たという女性は、そうぼくに断言してくれた。ほんの一瞬でも天使の輝く姿を見たぼくは、彼女の言葉をけっして疑わなかった。