||   THE elusive SHADOW / 幻の影   ||


どんなに遠くへ旅しても
ぼくの魂への扉は開いている
胸が張り裂けるほどの 死の恐怖のなかでは
きみの音楽は聞こえない
曲がりくねった思い出の道を通り抜け
ぼくは苦しみの十字架をかついで来た

それは狂気の旅
悲しみから生まれた 苦痛の旅だった
山を上り 谷を下り
風が吹くたび 体をすくめ
奪われた神酒を探し求め
遠い昔に笏を失った心のなか
苦しみにあえぐ いくつもの顔のなかに
ぼくはオアシスを探し求めた

あるいはそれは 酔った頭のなかにあったのだろうか
激しい狂乱 目の前にかかったうすもやを
ぼくは何度も 振り払おうとした
つきまとうこの影を ぼくは振り切ることができなかった
うるさい群衆に囲まれ
耳をふさぎたくなるような 大騒ぎのなかで
ふと後ろを振り返れば そいつがいた
どんな場所でも そいつはぼくについてきた

すべてから解き放たれのは
声を限りに叫んだあとで 静寂が訪れたとき
深い深い溜め息の底に
幾千もの悲しみが沈んでいた
不意に 燃えるようなきみの瞳をのぞきこみ
そのときぼくは 自分の行く先がはじめて見えた
幻の影は 僕の魂だった